サクラランの育て方|花が咲かない原因とツル剪定の罠を園芸記者が徹底解説
サクラランの育て方|花が咲かない原因とツル剪定の罠を園芸記者が徹底解説に関する専門家の意見を分かりやすく解説いたします。
園芸相談の窓口に寄せられるサクラランに関するトラブルで、統計上突出して多いのが「数年間育てているのに一輪も咲かない」という悩みです。その背景を深掘りすると、サクララン花が咲かない理由の8割以上が、栽培者自身のハサミ入れに起因していることが判明しています。
一般的なつる性植物(アサガオやクレマチスなど)は、定期的な摘心や切り戻しを行うことで脇芽を増やし、花数を増やすアプローチが基本です。しかし、ホヤ・カルノーサにおいてこの常識は完全に仇となります。これこそがサクラランつる剪定してはいけない理由の核心です。
植物生理学上、サクラランは葉のない細いつるを長く伸ばした先に「花座(Peduncle:花柄痕)」と呼ばれる突起状の器官を形成します。この器官は木質化しながら永続的に残り、一度形成されると毎年同じ場所から蕾を出し、十数年にわたって花を咲かせ続ける性質を持っています。つまり、伸びたツルを「葉がついていなくて不恰好だから」「邪魔だから」と切り落とす行為は、植物がエネルギーを注いで作り上げた開花器官を自ら破壊することに他なりません。
さらに見落とされがちなサクララン花芽がつかない真相として、「つるの登攀(とうはん)刺激」が挙げられます。自生地のサクラランは熱帯・亜熱帯の樹木に着生して上へ上へと這い登る着生植物です。つるが空中でブラブラと垂れ下がっている状態よりも、支柱やトレリスに巻き付いて上方へ伸びている状態の方が、植物ホルモンであるオーキシンの配分が安定し、花芽の分化が劇的に促進されます。最低でもつるの長さが1メートル以上に成熟しなければ初開花は見込めません。