エリアの騎士』最終回で傑の心臓移植に隠された衝撃の真相とは?
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『エリアの騎士』という作品の根幹を決定づけたのが、単行本第2巻から第3巻にかけて描かれた逢沢傑の突然の交通事故死と逢沢駆への心臓移植です。U-15日本代表の10番を背負い、将来の日本サッカー界を背負って立つと嘱望されていた天才ゲームメイカー・傑が、なぜ命を落とさなければならなかったのか。その背景には、緻密に計算された物語の構造が存在します。
当時、中学のサッカー部でマネージャーに甘んじ、トラウマから左足でボールを蹴ることができなくなっていた弟・駆。そんな駆の真の才能を見抜いていた傑は、登校中に駆を自転車の後ろに乗せ、正面から衝突してきたトラックから身を挺して弟を庇いました。この事故によって傑は脳死判定を受け、瀕死の重傷を負った駆を救うため、両親の苦渋の決断によって傑の心臓が駆へ移植されることになったのです。
生前の傑が密かに書き遺していた日記には、読者の心を激しく揺さぶる驚くべき本音が記されていました。傑は駆のなかに「自分をも超える絶対的なストライカーの資質」を見出しており、日記には次のように綴られていたのです。
「エリア(ゴール前の危険地帯)を支配する王たるストライカー(駆)に、命懸けでボールを供給する騎士(ナイト)になりたい」
つまり、タイトルである『エリアの騎士』の「騎士」とは本来、兄・傑のことを指していました。傑が自らの心臓を駆に託したことは、医学的な臓器移植を超え、自らのサッカー生命と魂のすべてを弟に託した「生涯で最後にして最大のラストパス」という意味を持っていたのです。