ケバブとは?なぜ豚肉を使わない?回転肉の秘密や発祥の真相を徹底解説

ケバブとは?なぜ豚肉を使わない?回転肉の秘密や発祥の真相を徹底解説の真相について、専門知識を基に徹底解説します。

「垂直に立てた肉を回転させて焼く」というドネルケバブの原形は、19世紀中頃のオスマン帝国(現在のトルコ・ブルサ地方)で誕生したと記録されています。料理人イスケンデル・エフェンディらが、それまで水平に寝かせて焼いていた肉を縦型に配置し、したたり落ちる肉汁が下の肉全体に行き渡るよう工夫したことが始まりとされています。当時のスタイルは、切り落とした肉を皿に盛り、パンや野菜を添えてナイフとフォークで食べる格式高いレストラン料理でした。

しかし、いま私たちが手にしている「パンに挟んでテイクアウトするスタイル」のケバブ発祥の歴史と経緯を辿ると、舞台はトルコを離れ、冷戦下のドイツへと移ります。

1960年代、戦後復興期の労働力不足を補うため、西ドイツ政府はトルコから大規模な外国人労働者(ガストアルバイター)を受け入れました。彼らが集住した西ベルリンのクロイツベルク地区で、1970年代初頭にトルコ系移民のカディル・ヌルマン(Kadir Nurman)氏やメフメット・アイギュン(Mehmet Aygün)氏といった料理人たちが、ある革新的なアイデアを具現化します。「時間に追われて働く忙しいドイツ人労働者のために、肉と新鮮な野菜をパンに挟んで持ち運べるようにしたらどうか」――これが、世界を席巻することになる「ドネルサンド(Döner Kebab Sandwich)」の誕生の瞬間でした。

ベルリン発祥のこのファストフードはドイツ全土で爆発的な人気を獲得し、ドイツの国民食と呼ばれるほどの巨大産業へと成長。やがて欧州全土へ、そして1980年代後半には東京・上野のアメヤ横丁や六本木、秋葉原へと逆輸入される形で日本上陸を果たしました。トルコの伝統的調理技術と、ドイツの都市型労働社会が生み出した合理性。二つの異なる文化が交差した場所にこそ、現代ケバブの原点が存在します。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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