現住建造物等放火罪はなぜ死刑もあるのか?非現住との差や量刑を解説

現住建造物等放火罪はなぜ死刑もあるのか?非現住との差や量刑を解説について知っておくべき 理由を分かりやすい構成で解説いたします。

ネット上の掲示板やSNSでは、放火に関する法解釈について多くの誤解が飛び交っています。重大な法的リスクを見誤らないために、代表的な虚実を整理します。

誤解1:「自分の所有する一軒家で一人暮らしなら、燃やしても重罪にはならない?」

これは半分正しく、半分は極めて危険な誤解です。名義が自分単独であり、同居人が一切いない完全な一人暮らしの家屋を放火した場合、形式的には「自己所有非現住建造物等放火罪(刑法109条2項)」となります。しかし、日本の住宅密集地において「周囲にまったく延焼の危険がない放火」を行うことは物理的にほぼ不可能です。

炎が隣家に燃え移りそうになったり、火の粉が舞い上がって周辺住宅に火災の危険(公共の危険)を及ぼした瞬間、犯罪が成立します。さらに、その住宅に火災保険が掛けられていた場合、保険会社を欺く目的の放火とみなされ、他人物放火と同等の重罰(刑法109条1項:2年以上の有期拘禁刑)へと跳ね上がります。

誤解2:「ガソリンを撒いただけ、ライターを点けただけなら未遂ですぐ釈放される?」

火を放つ前の準備段階であっても、刑法113条の「放火予備罪」が成立します。ガソリンや灯油を購入して容器に詰め、目的の建物へ持ち込んだり、床に撒き散らした行為は、それ自体が独立した犯罪です。

さらに、ライターの火を近づけたり紙に点火した瞬間から「放火の実行の着手」が認められ、放火未遂罪へと切り替わります。未遂であっても前述の通り法定刑は死刑・無期をベースとした減軽にとどまるため、身柄の釈放どころか長期間の勾留と実刑判決のレールが敷かれることになります。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest