マイボーム腺を自分で押し出すのは危険?眼科医が警告する真相とケア法
マイボーム腺を自分で押し出すのは危険?眼科医が警告する真相とケア法の疑問点について、分かりやすい解説を詳しくお届けします。
まつ毛の内側にできる「白や黄色のポツポツ」は、単なる皮脂の固まりだけではありません。眼科臨床において頻繁に見られる代表的な疾患が、麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と霰粒腫(さんりゅうしゅ)です。両者は発症メカニズムが全く異なるため、混同して潰そうとするのは自殺行為と言えます。
麦粒腫はいわゆる「ものもらい」「めばちこ」と呼ばれる細菌感染症です。黄色ブドウ球菌などがマイボーム腺やまつ毛の毛根に入り込み、急性の炎症を起こして赤く腫れ上がり、ズキズキとした痛みを伴います。この状態で針や爪で白い膿点を潰すと、内部の細菌が一気に周囲の組織へ拡散し、まぶた全体が蜂窩織炎(ほうかしきえん)と呼ばれる重篤な感染症に悪化する恐れがあります。
一方の霰粒腫は、マイボーム腺の出口が詰まり、分泌物が溜まって無菌性の肉芽腫(しこり)を形成した状態です。初期は痛みがほとんどなく、コロコロとした硬い豆のような感触が特徴となります。霰粒腫は分厚い皮膜に覆われているため、綿棒や指先で押し込んでも中身が出ることはまずありません。強い力で揉みほぐそうとすると、皮膜が内部で破裂して急性炎症を誘発し、激痛を伴う「化膿性霰粒腫」へと変貌してしまいます。