使用貸借とは?「親族間タダ貸し」の落とし穴と賃貸借の違いを徹底解説

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税務面における使用貸借最大の罠は、使用貸借の相続税評価額の算定方法にあります。一般に、他人に賃貸している「貸宅地」であれば、借地権割合(三大都市圏の住宅地で通常60〜70%程度)が控除され、更地評価額の30〜40%程度まで相続税評価額が大幅に引き下げられます。

しかし、土地使用貸借が適用されている土地は、借手に対して利用権の財産価値が認められないため、「自用地(更地)」として評価額100%で丸ごと課税されます。貸主側は「他人に貸して自由に使えない状態にある」にもかかわらず、一切の評価減を受けられません。さらに、賃貸経営を行っているわけではないため、貸付事業用宅地等としての「小規模宅地等の特例(最大200平米まで50%減額)」の適用も原則として受けられず、数千万円単位の相続税増差に直面する納税者が続出しています。

個人と法人の間で土地を無償利用する場合には、税務リスクはさらに跳ね上がります。同族会社の経営者が所有する土地に会社名義の社屋や倉庫を建てる際、地代を取らない使用貸借にすると、会社側が「借地権という多額の権利をタダで譲り受けた」とみなされ、会社に法人税(受贈益課税)が課される借地権認定課税というペナルティが発生します。

この致命的な課税を合法的に回避するために必須となるのが、無償返還届出書の手続きです。所轄の税務署長に対し、「土地の無償返還に関する届出書」を貸主と借主の連名で速やかに提出しなければなりません。この書類を提出することで、税務当局に対して「将来、借地権の対価を支払うことなく無償で土地を返す契約である」ことを正式に表明し、認定課税を回避することが可能となります。不動産の専門家が関与しないまま進められた同族間取引において、この届出漏れによる追徴課税が毎年多数発生しています。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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