本場ニース風サラダに芋はNg?伝統の具材とプロ直伝レシピ徹底解剖

本場ニース風サラダに芋はNg?伝統の具材とプロ直伝レシピ徹底解剖について専門的な視点から解説いたします。最新の情報をご覧ください。

日本や欧米の多くのレストランで提供されるニース風サラダには、角切りの茹でじゃがいもや色鮮やかな茹でインゲンが当たり前のように盛り付けられています。しかし、南仏ニースの郷土料理を守る保存協会「セルクル・ド・ラ・カペリーナ・ドール(Cercle de la Capelina d'Or)」や、元ニース市長であり名著『ニースの料理(La Bonne Cuisine du Comté de Nice)』を遺したジャック・メドサン(Jacques Médecin)氏は、かつて公の場で次のように強く主張しました。

「お願いだから、絶対に茹でたじゃがいもや加熱した野菜をニソワーズに入れてくれるな。それはまったく別の料理だ」

この厳しいルールの根底にあるのは、地中海性気候が育む「採れたての生野菜のみずみずしさと太陽の香りをそのまま味わう」というテロワール(風土)への絶対的な敬意です。ニース風サラダの歴史と由来を紐解くと、もともとは貧しい沿岸の漁師や農民が、畑で採れた完熟トマトやスプリングオニオン、塩漬けアンチョビをオリーブオイルと塩で和えて食べた簡素な軽食が始まりでした。

では、なぜ世界中にじゃがいもやインゲン入りのレシピが広まったのでしょうか。その元凶とも言えるのが、「近代フランス料理の父」と称される巨匠オーギュスト・エスコフィエ(Auguste Escoffier)です。19世紀末から20世紀初頭にかけてパリやロンドンの高級ホテルで腕を振るったエスコフィエは、ボリューム感を出し、冬場でも提供しやすいメニューにするために茹でたインゲンとじゃがいもを追加したアレンジを発表しました。これが国際的な「フランス料理の定番」として世界中に輸出され、現在に至る誤解の定着につながったのです。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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