お金がない人の歯の治療はどうする?手持ちゼロから受診する救済策の全貌
お金がない人の歯の治療はどうする?手持ちゼロから受診する救済策の全貌とはどんな影響があるのか? 詳しい意味を簡潔に解説します。
経済的困窮によって通常の窓口支払いが困難な市民に対しては、国や地方自治体、医療法人による複数のセーフティネットが法律に基づいて整備されています。
第一に検討すべき公的制度が、済生会や民医連(全日本民主医療機関連合会)などに加盟する病院・診療所が実施している「無料低額診療事業」です。これは社会福祉法に基づき、生活困窮者に対して無料または低額な料金で診療を行う事業です。医科だけでなく歯科を併設している指定医療機関であれば、前年の収入状況や生活実態の審査を経て、医療保険の自己負担金が全額免除、あるいは半額などに減額されます。利用にあたっては医療ソーシャルワーカーとの面談が必要となりますが、生活費に事欠く状態にある人にとって最も実効性の高い救済手段となります。
生活保護を受給している世帯、あるいは現在申請を検討している困窮層に対しては、生活保護法に基づく「医療扶助」が適用されます。福祉事務所から「歯科傷病届」や「医療券」の発行を受けることで、指定医療機関での歯科治療にかかる窓口負担は完全に自己負担ゼロ(0円)となります。虫歯の治療だけでなく、保険適用の範囲内であれば入れ歯の製作費用も全額扶助の対象です。激痛で緊急性が高い場合には、受診前に担当ケースワーカーへ連絡するか、医療機関の窓口で保護受給中である旨を伝えることで速やかな手配が進められます。
自由診療の高額なインプラント治療に対しては、原則として高額療養費制度は適用されません。高額療養費制度はあくまで保険適用診療における月ごとの上限額を定める制度であるためです。先天性疾患や外傷によって広範囲に顎骨を欠損したなどの極めて特殊なケースを除き、審美や噛み心地を理由とするインプラントは対象外となります。
ただし、過去にやむを得ず支払った高額な医療費については、確定申告による「歯科の医療費控除」を活用することで税負担の還付を受けられる経緯があります。年間の医療費支払いが10万円(総所得金額等が200万円未満の場合はその5%)を超えている場合、過去5年間に遡って還付申告が可能です。現行の困窮を直接解決するものではなくとも、将来的な家計のキャッシュフロー改善策として認識しておく価値があります。