矢木沢ダム貯水率が激減?首都圏水不足の真相と取水制限リスクを検証
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水位低下の構造的要因を掘り下げると、気象パターンの変化と降雪の質というシビアな現実が浮き彫りになります。矢木沢ダムの集水域である群馬県みなかみ町降水量の推移を見ると、年間降水量は保たれていても、「降る時期」と「雪の積もり方」が従来のパターンから大きく乖離する年が増加しています。
最大の矢木沢ダム渇水理由として挙げられるのが、厳冬期の降雪不足と、その後の急激な気温上昇による「雪解け水のフライング融流」です。矢木沢ダムは、周囲の険しい山々に降り積もった天然のダム=「残雪」が春から初夏にかけてじわじわ溶け出すことで、長い期間にわたって安定した貯水量を保つ設計になっています。ところが、冬場の寒波が南岸低気圧中心になり山間部の豪雪地帯に十分な積雪をもたらさなかったり、3月〜4月に異常高温となって雪が一気に溶けて流出してしまったりすると、本格的な夏を迎える前に貯水位が目減りしてしまうのです。
さらに、下流の農繁期に向けた河川維持流量の確保や、発電用水としての補給放流が重なることで、矢木沢ダム有効貯水量推移は急速な右肩下がりのカーブを描きます。「空梅雨」が重なれば、ダム湖の底割れが現実味を帯びてくるのはこのためです。気候変動による極端気象は、利根川の最上流部を確実に揺さぶっています。