心電図のSt上昇とは?急性心筋梗塞の兆候と命を守る緊急判断基準
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臨床診断において、波形が何ミリ持ち上がれば異常と判断されるのかは、日本循環器学会および国際的な診断ガイドラインによって厳密に定義されています。このST上昇 判定基準は、心電図の電極を装着する位置(心電図 誘導)や患者の年齢・性別によって細かく規定されています。
国際標準に基づくST上昇の診断基準値
心電図上の「J点(QRS波からST部分へ移行する変曲点)」の高さをもとに、以下の基準を満たす場合に有意なST上昇と判定されます。
- 胸部誘導 V2・V3:
- 40歳未満の男性:0.25mV(2.5mm)以上
- 40歳以上の男性:0.2mV(2.0mm)以上
- 全年齢の女性:0.15mV(1.5mm)以上
- その他の誘導(肢誘導 I, II, III, aVF, aVL および胸部誘導 V1, V4〜V6):
- 男女共通:0.1mV(1.0mm)以上
冠動脈は大きく「右冠動脈」「左前下行枝」「左回旋枝」の3本に分かれており、閉塞した部位に応じて心電図の特定の誘導にST上昇が現れます。例えば、II・III・aVF誘導で上昇していれば心臓の下壁(右冠動脈や回旋枝領域)、V1〜V4誘導で上昇していれば前壁中隔(左前下行枝領域)の病変が強く疑われます。
さらに、虚血部位の反対側に位置する誘導でST部分が逆に下がる「鏡面像(Reciprocal change)」が確認された場合、急性心筋梗塞 STEMIの確定診断における決定打となります。