日本航空の重大事故と安全対策の真相|羽田衝突から歴代の教訓まで
日本航空の重大事故と安全対策の真相|羽田衝突から歴代の教訓までの注目ポイントを丁寧に掘り下げてご紹介します。
過去の教訓を積み重ねてきたなかで起きたのが、2024年1月2日の羽田空港地上衝突事故でした。新千歳空港発のJAL516便(エアバスA350-900型機)が羽田空港C滑走路に着陸した直後、滑走路上で能登半島地震の被災地へ救援物資を搬送中だった海上保安庁機(ボンバルディアDHC-8-315型機・みずなぎ1号)と衝突。双方の機体が炎上し、海保機の乗員6名中5名が殉職、機長1名が重傷を負う事態となりました。
「一体なぜ起きたのか」という疑問に対し、運輸安全委員会(JTSB)による詳細な事故調査と交信記録の解析から、以下のような複合要因が浮き彫りになりました。
国土交通省が公開した交信記録によると、管制官は海保機に対し「滑走路手前の停止位置(C5誘導路)まで走行してください(Taxi to holding point C5)」と指示し、「ナンバーワン(出発順位が1番目)」と伝えていました。しかし、海保機の機長は「ナンバーワン」という言葉を着陸・進入許可と認識し、滑走路内に進入して約40秒間停止していたとみられます。この重大な認識のズレが、夜間の視界不良や過密な空港運航スケジュールと重なり、悲劇的な衝突へとつながりました。
管制官の復唱確認(リードバック)、ストップバーライト(誤進入防止灯)の運用状態、双方の視認性の限界など、ひとつのミスを別の安全装置が食い止める「多重防護の網」が複数すり抜けてしまったことが決定的な原因とされています。