上野の国立西洋美術館はなぜ世界遺産?見どころと混雑回避法を徹底解剖
上野の国立西洋美術館はなぜ世界遺産?見どころと混雑回避法を徹底解剖とはどんな影響があるのか? 詳しい意味を丁寧に紐解いて紹介します。
建築の美しさを堪能した後に向き合うべきは、国立西洋美術館の背骨を成す松方コレクションの圧倒的な質と量です。川崎造船所(現・川崎重工業)の初代社長を務めた実業家・松方幸次郎が、大正時代から昭和初期にかけて「日本の若者に本物の西洋美術を見せたい」という情熱から私財を投じて買い集めた名品群が、その起源となっています。
第二次世界大戦末期、フランスに残されていたコレクションは敵国人財産としてフランス政府に差し押さえられました。戦後、サンフランシスコ平和条約締結に伴う粘り強い外交交渉の末、「フランス美術を展示するための専用美術館を東京に建設すること」を条件に、1959年に日本へ「寄贈返還」されたという劇的な歴史的背景があります。
国立西洋美術館の常設展における最大の見どころとして、まず挙げられるのがクロード・モネの傑作群です。特に松方がモネ本人からアトリエで直接購入したとされる『睡蓮』は、光と色彩の揺らめきがキャンバスいっぱいに広がり、息をのむ美しさを誇ります。また、2016年にルーヴル美術館で発見され修復プロジェクトを経て公開された『睡蓮、柳の反映』の存在も、コレクションの数奇な運命を物語る象徴的な作品です。
常設展の展示ルートは、中世末期から初期ルネサンスの板絵に始まり、ルーベンスらバロックの巨匠、ドラクロワをはじめとする19世紀ロマン主義、そして印象派・ポスト印象派に至るまで、西洋美術の流れを時代順に追体験できるよう構成されています。前庭に展示されたオーギュスト・ロダンのブロンズ巨作『地獄の門』や『考える人』は、入場料を払わずに鑑賞できる世界的名宝として、多くの通行人の足を止めさせています。