【キングダム】韓非子はなぜ自害した?李斯の思惑と衝撃の最期を徹底解説

【キングダム】韓非子はなぜ自害した?李斯の思惑と衝撃の最期を徹底解説について専門的な視点から解説いたします。専門家の見解をチェックしてください。

韓非子というキャラクターの深みを決定づけたのが、新鄭の地で繰り広げられた主人公・信との劇的な舌戦です。希代の碩学である韓非子は、初対面の信に対して極めて根源的な問いを投げかけました。

性悪説を乗り越える「火」という独自の解答

韓非子は、吃音(どもり)のハンディキャップを抱えながらも、頭脳明晰にして冷徹な観察眼を持つ人物として描かれます。儒家の荀子(じゅんし)に学び、「人は生まれながらにして悪である」とする性悪説を前提に、厳格な法と賞罰によってのみ国家秩序が保たれると説く法家思想の頂点に君臨していました。彼にとって「人の本質」をどう捉えるかは、法を敷くための根本理念だったのです。

それに対し、かつて政(始皇帝)と交わした誓いや、戦場で散っていった無数の仲間・敵の命を背負う信は、即座にこう叫びました。

「人の本質は――『火』だ」

人は時に欲望に狂い、残酷な過ちを犯す(悪の側面)。しかし、誰かの思いを受け継ぎ、暗闇の中で互いを照らし合い、命を燃やして前進し続ける力こそが本質であるという信の言葉は、冷徹な法理論に凝り固まっていた韓非子の硬質な世界観を根底から揺さぶりました。国家の枠を超えた「中華統一」という狂気じみた理想に、単なる覇権欲ではない真の光が宿っている可能性を直感したからこそ、韓非子は危険を承知で秦へ向かう決断を下したのです。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest