メイドインアビスはなぜグロい?衝撃のトラウマ回と人気の秘密に迫る
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ネット上の掲示板やSNSでは、センセーショナルな切り抜き画像や言葉だけが独り歩きし、「原作者の特殊な性癖を満たすための悪趣味なリョナ作品」「単なる鬱・胸糞アニメ」と短絡的に片付けられるケースが少なくありません。しかし、作品の本質を精査すると、そうした表層的なラベリングが重大な誤解であることが浮き彫りになります。
第一の誤解は、「ショックを与えるために無意味にグロテスクにしている」という見方です。原作者のつくしあきひと氏は、過去の公式インタビューや対談において、アビスという世界の「絶対的な公平性」を一貫して語っています。過酷な生態系や上昇負荷の呪いは、主人公たちをいたぶるために恣意(しい)的に用意されたものではなく、「誰も特別扱いしない大自然の絶対法則」として機能しています。少年少女がどれほど純粋で尊い目的を持っていようと、物理法則や捕食者の本能は一切の温情を挟みません。この容赦のなさが、ファンタジー世界に圧倒的な実在感と説得力を与えています。
第二の盲点は、作中で行われる残酷行為の動機が「悪意」ではないという点です。稀代の怪人物として知られる白笛・ボンドルドは、子供たちを実験台にして破壊し尽くしながらも、彼らに対して憎悪や軽蔑を抱いていません。むしろ対象の子供たちを心から慈しみ、その名前や夢をすべて記憶し、本気で愛しています。悪意による加害ではなく、「アビスの謎を解き明かしたい」「人類の夜明けを見たい」という純粋極まりない科学的好奇心と愛情から惨劇が生まれる構造こそが、本作を単なる勧善懲悪の枠から解き放ち、高次元の文芸作品へと昇華させています。