なぜコロナに何度もかかるのか?繰り返す感染の罠と後遺症の全貌
なぜコロナに何度もかかるのか?繰り返す感染の罠と後遺症の全貌とはどんな影響があるのか? 背景や要点を整理してお届けします。
ウイルスの進化スピードは、人類の獲得免疫が想定していたシナリオをはるかに上回るペースで加速している。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、変異を繰り返す過程で「免疫逃避能力」を極限まで高めてきた。過去の感染やワクチン接種によって体内に作られた中和抗体は、スパイクタンパク質の形状がわずかに変化するだけで、その結合力を劇的に失ってしまう。
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長も度々言及しているように、ウイルスは監視体制の緩みに乗じて変異のバリエーションを増やし続けている。血液中の抗体価は感染後2〜3カ月を過ぎると急速に低下し、咽頭や鼻腔の粘膜免疫に至ってはさらに短い期間で防壁としての機能を弱めてしまう。国立感染症研究所のゲノム解析でも、新たな変異系統が従来の免疫網を巧みにすり抜けて定着していく動態が明確に示されている。免疫の空白地帯が生まれるタイミングと新たな変異株の流行期が重なったとき、人間は何回でも感染してしまうのだ。