路面電車の線路は通れる?「軌道敷内通行可」の標識とルールを徹底解説
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路面電車が走行するためのレールが敷設された道路空間を、道路交通法では「軌道敷(きどうしき)」と呼びます。大前提として頭に入れておくべきなのは、道路交通法第21条第1項に定められた「車両は、軌道敷内を通行してはならない」という原則禁止の規定です。路面電車は車体が極めて重く、アスファルト上の自動車のように急ブレーキを踏んでもすぐには止まれません。そのため、法律上は電車の安全な運行が最優先されています。
この原則に対する例外を示す代表的な合図が、規制標識「軌道敷内通行可(標識番号319)」です。青色の円形または角型プレートに、路面電車のイラストとともに黄色い進行方向の矢印、あるいは「自動車」のシンボルが描かれています。この標識が設置されている区間に限り、指定された車両は線路上にタイヤを乗せて走行することが法的に許可されます。
一体なぜ、危険を伴う線路上への進入を認める標識が存在するのでしょうか。その最大の理由は都市部における慢性的な交通渋滞の緩和と道路空間の有効活用にあります。道路幅が狭い歴史ある城下町や過密都市では、路面電車専用に車線を完全に分断してしまうと、一般車線が1車線のみとなり大渋滞を引き起こします。電車の運行本数や道路の幅員を考慮し、交通流を円滑にするための高度な交通管制策としてこの標識が運用されているのです。
なお、標識がない道路であっても、以下のケースでは例外的に軌道敷内への進入や横断が認められています。
- 左折、右折、横断、転回(Uターン)をするために軌道敷を横切るとき
- 道路の損壊、道路工事、駐停車車両などの障害物があり、道路の左側部分だけでは通行できないとき
- 道路標識によって指定された安全地帯の左側を通行することができないとき