小原糸子の真実!モデル小篠綾子の劇的生涯とカーネーションの光と影
話題沸騰中の 小原糸子の真実!モデル小篠綾子の劇的生涯とカーネーションの光と影について、多角的な視点を分かりやすく掲載しています。
『カーネーション』を語る上で欠かせないのが、物語終盤におけるヒロイン交代劇です。第1週から第22週(72歳まで)を熱演した尾野真千子の演技は、業界内外で「歴代朝ドラ屈指の憑依型名演」と絶賛され、第49回ギャラクシー賞個人賞を受賞するなど社会現象となりました。それだけに、第23週から最終回までを夏木マリへとバトンタッチする発表がなされた当時、視聴者の間には凄まじい衝撃と困惑が広がりました。
放送当時、インターネット掲示板やSNSでは「なぜ尾野真千子の老けメイクでは駄目だったのか」「ここまで感情移入してきたのに裏切られた気分だ」といった拒絶反応が噴出しました。しかし、この交代劇は制作統括や脚本の渡辺あや氏が熟考を重ねた末の、極めて戦略的な判断でした。
関係者の証言や当時の制作インタビューによると、交代の最大の理由は「70代から90代という年齢が持つ、圧倒的な生命力と怪物性を表現するため」でした。20代から30代の若手実力派俳優がどれほど精巧な特殊メイクを施し、声のトーンを落としたところで、全身から滲み出る「骨太な人生の厚み」や「老境のしたたかさ」までは表現しきれません。小篠綾子の晩年は、国内外を飛び回り、夜な夜な銀座でシャンパンを傾け、周囲の若者を圧倒するエネルギーの塊でした。
バトンを引き継いだ夏木マリは、それまでの視聴者の拒否感を力技でねじ伏せるかのような怪演を披露。白髪を逆立て、岸和田弁を轟かせ、だんじりの鐘の音に血を沸かせる糸子の晩年を見事に具現化しました。物語が完結した際、視聴者からは「夏木マリでなければ、あの神がかったラストスパートは描けなかった」と称賛の声が相次ぎ、今では朝ドラ史に残る英断として語り継がれています。