チルド室とは?冷蔵室との違いや入れてはいけないNg食品の真相
チルド室とは?冷蔵室との違いや入れてはいけないNg食品の真相とは一体何なのか? 主要なファクトを丁寧に紐解いて紹介します。
冷蔵庫のドアを開けた際、中段や下段に専用の透明カバーや引き出しとして独立しているのが「チルド室」です。英語の「chill(冷やす・凍結寸前まで冷却する)」に由来するこの空間は、JIS規格(日本産業規格)および家電業界の標準設計において、庫内温度「約0℃〜3℃」の範囲に厳密にコントロールされています。
一方、一般的な冷蔵室の基準温度は約3℃〜6℃。数字で見ればわずか3℃前後の差に過ぎませんが、生化学の視点から見るとこの差は劇的です。食材の腐敗や劣化を引き起こす細菌類の多くは、10℃以下で増殖速度が鈍り、0℃に近づくにつれて活動が休眠状態へと追い込まれます。これが、チルド室が「生鮮食品のタイムカプセル」と呼ばれる所以です。
ここで多くの人が抱く疑問が、「なぜ0℃前後の極低温なのに、食材がカチコチに凍らないのか」という点でしょう。水が凍る温度(氷結点)は0℃ですが、肉や魚、加工食品には塩分や糖分、アミノ酸などの溶質が溶け込んでいます。理科の実験で知られる「氷点降下」の原理により、生肉や鮮魚が実際に凍り始める温度は約-1.5℃〜-2℃程度まで下がります。チルド室はこの「水は凍るが、食材そのものは凍らない不凍域(氷点降下帯)」を狙い撃ちにして設計されているのです。