急な高熱と胸痛は危険?大葉性肺炎の症状・気管支肺炎との違いと治療法
急な高熱と胸痛は危険?大葉性肺炎の症状・気管支肺炎との違いと治療法について知っておくべき 事実を分かりやすい構成で解説いたします。
大葉性肺炎を引き起こす病原体の筆頭は、グラム陽性球菌である肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)です。成人が日常生活の中で罹患する市中肺炎の約20〜30%を占め、大葉性肺炎の典型例においてはその大半が肺炎球菌の感染によって発症します。
「肺炎は人から人へうつるのか?」という疑問を抱く方は少なくありません。結論から言えば、インフルエンザや新型コロナウイルスのように強い感染力で次々と集団感染を起こす性質のものではありません。肺炎球菌自体は健康な成人の10%前後、小児では数十%の鼻咽頭に常在している菌です。健康な状態であれば気道の線毛運動や免疫機能によって排除され、肺胞まで到達することはありません。
ところが、過労や寝不足、寒冷暴露、ウイルス性の上気道感染症(風邪やインフルエンザ)、あるいはアルコール多量摂取などによって生体バリアが破壊された瞬間、菌が気道を下って肺胞の奥深くに侵入します。肺炎球菌が持つ強固な「莢膜(きょうまく)」という外膜構造は白血球の貪食作用を跳ね返し、肺胞内で爆発的に増殖します。これに対抗しようと血管から大量の水分や白血球、赤血球が溢れ出し、肺胞内を満杯にして急速なガス交換障害をもたらすのです。