コオロギの鳴き声完全ガイド|気温の計算法則から室内の防音対策まで
コオロギの鳴き声完全ガイド|気温の計算法則から室内の防音対策までに関する深掘り解説を詳しく解説いたします。
コオロギの発音器官は喉や口ではなく、前翅(まえばね)の特殊な微細構造にあります。鳴くのは成熟したオスのみで、メスの翅には発音器が備わっていません。
右前翅の裏側には、ヤスリ状に並んだ数百個の微細な突起列(摩擦脈:ファイル)が存在します。一方、左前翅の内縁部には硬いツメ状の突起(摩擦片:プレクトラム)があり、翅を45度から80度の角度に立てて左右高速で擦り合わせることで音を発生させます。この振動が翅膜にある「ハープ」や「ミラー」と呼ばれる薄い膜組織を共鳴板として増幅され、遠くまで届く大きな音へと変換される仕組みです。
【オスのコオロギが使い分ける3つのシグナル】
- 誘引鳴き(Calling Song):遠方のメスに自身の位置と存在を知らせるための最も標準的で大きな鳴き声。
- 求愛鳴き(Courtship Song):メスが視界または触角の届く距離に接近した際、刺激を避けるため音量を落とし、小刻みで柔らかなリズムに変化させた鳴き声。
- 威嚇・闘争鳴き(Aggressive Song):他のオスとテリトリー(縄張り)や餌場を巡って遭遇した際、翅を強く激しく打ち鳴らして発する短く尖った鳴き声。
鳴く時間帯は基本的に夕暮れから日没後の夜間がピークですが、10月中旬を過ぎて夜間の冷え込みが厳しくなると、体温を確保できる日中の日だまりや午後にも盛んに鳴くようになります。