世界記録の真相と人類の限界!不滅の記録からギネス最新事情まで
世界記録の真相と人類の限界!不滅の記録からギネス最新事情までの主要なニュースを丁寧にまとめました。全体像を一目で把握できます。
陸上界には、スポーツ関係者が口を揃えて「半永久的に破られない」と断言するアンタッチャブル・レコードが複数眠っています。代表格が、1988年にアメリカのフローレンス・グリフィス=ジョイナーがマークした女子100メートルの10秒49、そして1983年にチェコスロバキアのヤルミラ・クラトフビロワが記録した女子800メートルの1分53秒28です。なぜ40年以上の歳月が流れても、最新のトレーニングを受けた現代のアスリートたちが手も足も出ないのでしょうか。
その背景には、冷戦期特有の国家威信をかけた強化プログラムと、未発達だったドーピング検査体制という暗雲が立ち込めています。元東ドイツの国家機密文書が公開された際、国家主導でアンドロゲン(男性ホルモン)系ステロイドが選手たちへ組織的に投与されていた事実が白日の下に晒されました。当時、筋肉隆々の体貌へと劇的に変貌を遂げた選手たちの姿はテレビ映像にも鮮明に残されており、のちに本人が心臓発作等で急逝した事実も、疑惑の炎に油を注ぎ続けています。
加えて、グリフィス=ジョイナーの10秒49に関しては「機材の誤作動」という物理的疑惑が拭えていません。競技場内に設置されていた三段跳び用ピットの風速計が強烈な追い風(秒速5メートル以上)を計測していたにもかかわらず、100m走路の計時装置には「風速0.0m」と表示されていました。スタンドの旗が激しく揺れる中でのレース展開は、後年の独立調査委員会からも「明らかな計時エラー」と指摘されながら、公式記録として抹消されることなく今に至ります。現代の厳密なアンチ・ドーピング規定(WADAコード)と高精度超音波風速計の前では、二度と再現できない「時代の産物」なのです。