「象が踏んでも壊れない」昔の筆箱はなぜ消えた?多機能ギミックの真相
「象が踏んでも壊れない」昔の筆箱はなぜ消えた?多機能ギミックの真相について押さえておきたい 注意点を厳選して解説いたします。
1970年代後半から1980年代前半にかけて、小学生男子の放課後や休み時間を支配したのは「多機能筆箱(ギミック筆箱)」でした。コクヨ、サンスター文具、クツワ、三菱鉛筆などの大手文具メーカーが技術の粋を集め、筆箱本体に数々のスプリング機構を組み込みました。
筆箱の側面に並んだカラーボタンを押すと、内部に仕込まれた圧縮コイルスプリングとラッチ(掛け金)機構が連動し、以下のようなツールが勢いよく飛び出す仕組みになっていました。
- 飛び出す鉛筆削り:ボタンワンプッシュで斜め上にポップアップし、削りカス入れもワンプッシュで排出。
- 飛び出す虫眼鏡(拡大鏡):手動ではなくスプリングの力でシャキッとスライド展開。
- 飛び出す消しゴムホルダー:消しゴム専用の小型トレイがせり上がる機構。
- 飛び出す温度計・方位磁石:外気温を測る棒状温度計やコンパスが側面に格納。
- シークレットスペース(隠し底):ペンシルホルダーを持ち上げると現れる秘密のメモ入れスペース。
開口部の数もエスカレートし、表裏の2ドアから始まり、側面や角が開く「4ドア」「5ドア」、さらには「8ドア」を誇る要塞のようなモデルまで登場しました。当時の価格帯は1,200円〜2,500円程度と、当時の小学生の小遣いとしては極めて高額であり、誕生日や進学祝いのギフトとして親や祖父母にねだる子どもたちが続出しました。