本革と合皮の見分け方|プロが教える決定打と失敗しない選び方2026
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製品のタグがない場合や、二次流通市場で真贋を見極める際、レザーソムリエや靴職人が最初に行うのは「表面を眺めること」ではありません。素材の端部、すなわち断面と裏地による判別理由を探る作業から着手します。
本革の断面(コバ)をルーペなどで拡大すると、緻密に絡み合ったコラーゲン繊維が層を成しており、切り口はランダムで不均一な毛羽立ちを見せます。これに対し、PU(ポリウレタン)レザーやPVC(塩化ビニル)レザーなどの合皮は、布地や不織布のベース層の上に樹脂層を均一に塗り重ねた多層構造です。そのため、断面には「樹脂層と布地の境界線」がはっきりと現れ、人工的な断面の平滑さが露呈します。端面がコバ塗り(顔料コーティング)で隠されている場合でも、縫い目の隙間やファスナー周辺の裏側を覗き込むと、合皮特有の織り目やニット状の裏地が確認できます。
また、本革特有の匂いと毛穴の特徴も強力な判断基準です。本革は植物タンニンやクロム化合物による鞣し工程と動物性脂質に由来する、深みのある特有の芳香を放ちます。一方、合皮はどれほど消臭・着香技術が進んでも、基布の接着剤や石油由来ポリマー特有のケミカル臭(ビニールやプラスチックに近い揮発臭)が微かに残ります。
さらに表面の毛穴にも決定的な差が現れます。型押し加工の合皮は規則的なパターンが一定の間隔でリピートしますが、天然皮革の毛穴は部位によって密度や傾きが異なり、決して完全な規則性を示しません。指先で素材を押し込んだ際、本革は毛穴を中心に細かなシワが放射状に広がりますが、合皮は樹脂フィルム全体が大きく沈み込むような、硬質な撓(たわ)み方を見せるのが特徴です。