新米の水加減は減らすな?失敗が急増する真相と絶品に炊く黄金比
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「新米の水加減は少なめに」という言葉を疑わずに実践した結果、硬くて味気ないご飯に仕上がってしまった経験を持つ人は少なくない。大手レシピサイトやSNSのコミュニティでも、「レシピ通りに水を1割減らしたら大失敗した」という相談が毎年のように投稿されている。この現象が起きる決定的な理由は、現代の乾燥調製技術と新米の水分量をめぐる劇的な環境変化にある。
昭和の中期頃まで、米の収穫後は田んぼに組んだ稲架(はさ)に掛けて天日干しを行うのが一般的だった。天候に左右される天日干しや初期の機械乾燥では、収穫直後の米に水分が16〜18%近く残っているケースが珍しくなく、文字通り「水を含んだ米」だったのだ。これが新米の水加減を減らす理由として定着した歴史的背景である。
しかし、現在はカントリーエレベーターをはじめとする共同乾燥施設や、コンピューター制御の高精度熱風乾燥機が普及している。農林水産省が定める農産物検査規格において、玄米の水分含有量は14.5%〜15.0%程度を目標値として厳格に乾燥調製され、年間を通じて極めて均一な状態で流通している。つまり、秋口に出回る新米も、初夏に食べる前年産米も、粒の中に保持されている水分量自体には1%未満の極めてわずかな差しか存在しない。それにもかかわらず昔の感覚で水を1割〜2割(合あたり20〜40ml)も減らしてしまえば、物理的な水不足に陥り、芯が残るのは当然の帰結である。