麻生太郎の水道民営化発言の真相と現在地|外資疑惑と料金リスク徹底検証
麻生太郎の水道民営化発言の真相と現在地|外資疑惑と料金リスク徹底検証の詳細解説をご紹介します。専門的な知識が詰まっています。
事の発端は、2013年4月19日に米ワシントンD.C.の戦略国際問題研究所(CSIS)で行われた麻生太郎氏の講演です。内外の経済政策を語るスピーチの中で、麻生氏は次のように発言しました。
「水道の回収率が100パーセントの国は日本くらいしかない。この水道事業をすべて民営化する」
この発言が報じられるや否や、国内では「日本のインフラをアメリカに売り渡すのか」「海外企業に水道利権を差し出す密約ではないか」という猛烈な批判が巻き起こりました。政治のトップが国会や国内有権者への丁寧な説明を前に、米国の有識者・投資家向けシンクタンクの場で方針を公言したプロセスそのものが、強い不信感を生む引き金となったのです。
しかし、発言の政策的コンテクストを精査すると、政府が目指していたのは「インフラの完全売却(私有化)」ではありませんでした。施設自体の所有権は自治体が維持したまま、運営権だけを複数年にわたって民間事業者に設定する「コンセッション方式(PFI法に基づく公共施設等運営権制度)」のインフラ導入を意図したものでした。結果として、この「言葉の選択」と「発信場所の唐突さ」が、その後の水道民営化論争を決定的に硬直化させる要因となりました。