なぜ世界一長い?バンコク正式名称100文字の全貌と改称騒動の真相

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なぜこれほど長大な名前が首都に与えられたのか。その起源は18世紀末、現在のチャクリー王朝の創始期に遡ります。1782年、旧首都トンブリーからチャオプラヤー川を挟んだ対岸の地へと遷都を決断したラーマ1世が、新たなタイ王国首都の誕生を寿ぐために下賜した命名がその始まりでした。

当時、タイの人々にとって国家の精神的支柱だった前王朝のアユタヤは、ビルマ(現ミャンマー)軍の猛攻によって徹底的に破壊されていました。ラーマ1世は国民の傷ついた誇りを回復させ、新王朝の正統性を誇示するために、「アユタヤを超える不落の聖都」を築く必要があったのです。その決意表明として、ヒンドゥー教や仏教の宇宙観を総動員した祝詞のような超長文が都市名として刻まれました。

この儀礼名はのちにギネス世界一長い地名(Longest place name in the world)として公認されることになります。アルファベット表記ではスペースを除いても169文字に達し、英国ウェールズ地方の有名な長名村「スランヴァイルプールグウィンギルゴゲリチュウィルンドロブルスランティシリオゴゴゴッ」(58文字)を文字数で大きく突き放しています。

一方、私たちが普段口にするバンコク名前の由来は、この壮麗な儀礼名とは対照的に極めて庶民的です。遷都以前、この一帯は水路に囲まれたのどかな農村地帯であり、タイ語で「オリーブ(マコーク)の木が群生する川沿いの村」を意味する「バーンマコーク(Bang Makok)」、あるいは「島のような村」を意味する「バーンコッ(Bang Koh)」と呼ばれていました。16世紀から17世紀にかけて寄港していたポルトガルやフランスの外国人商人たちが、この現地の粗野な通称を「Bangkok」と記録し、それが国際的な呼称として定着したに過ぎないのです。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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