「このわた」とは何の部位?日本三大珍味の正体と通な食べ方を徹底解剖

「このわた」とは何の部位?日本三大珍味の正体と通な食べ方を徹底解剖とはどんな影響があるのか? 主要なファクトを整理してお届けします。

このわたの製造は、機械化が極めて困難な手作業の連続です。その製造工程には、何代にもわたり受け継がれてきた職人の経験と勘が息づいています。

まず水揚げされた新鮮なマナマコを素早く割り、破れやすい極細の腸を傷つけずに引き出します。続いて行われるのが、品質を決定づける「砂出し(しごき)」の工程です。ナマコの腸内には泥や砂粒がぎっしり詰まっており、指先で優しく、かつ完璧にこれらを押し出さなければなりません。力を入れすぎれば薄い腸壁が破れ、弱すぎれば砂が残り、口当たりを台無しにします。その後、冷水や海水で徹底的に洗浄し、ナマコの腸重量に対しておよそ10〜15%前後の天然塩を加えて樽で寝かせます。

塩漬け期間は数時間から数日、長いものでは数週間にわたる場合もありますが、塩分濃度と発酵管理を誤ればただの塩漬けに成り下がります。適正な自己消化酵素の働きによって、とろりとした独自の粘度と深みのある琥珀色へと仕上がります。

このわたの旬は、冬(12月〜翌年2月頃)です。水温が下がる冬季、ナマコは春の産卵に向けて栄養を蓄え、身も腸も最も肉厚になります。特に七尾湾などを擁する能登半島では、寒風吹きすさぶ真冬に仕込まれるこのわたが最高峰とされ、地域の厳しい自然が生み出す貴重な冬の風物詩として今なお大切に受け継がれています。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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