傷口の上皮化とは?肉芽組織との違いや完了サイン・綺麗に治す全知識
傷口の上皮化とは?肉芽組織との違いや完了サイン・綺麗に治す全知識に関するポイントを分かりやすくまとめました。専門的な情報をチェックしましょう。
創傷の経過を観察する際、一般の方が最も混同しやすいのが上皮化と肉芽組織の違いです。傷口を覗き込んだときに見える「赤くてジュクジュクした塊」と「白っぽく光る薄皮」は、治癒段階において全く異なる役割を担っています。 肉芽組織(にくげ・にくがそしき)とは、深さのある傷の溝を埋めるために一時的につくられる充填材です。豊富な新生毛細血管とコラーゲン繊維、線維芽細胞から成り立っており、鮮紅色で触れると容易に出血するほど繊細な組織です。一方の上皮化は、完成した肉芽組織という「地盤」の上を薄い表皮細胞が覆っていく「舗装工事」に相当します。 現場で迷わないための、客観的な外見的特徴と判定基準は次の通りです。
- 肉芽組織の状態:鮮やかな赤色からピンク色をしており、表面は粒状(グレープフルーツの果肉のような質感)で盛り上がっている。触ると簡単に出血し、滲出液が多く分泌される。
- 上皮化進行中の状態:傷口のフチから内側に向かって、白っぽい半透明の薄い膜(帯状のリム)が這うように前進してくる。赤みが徐々に淡くなり、創面の面積が目に見えて縮小していく。
- 上皮化完了のサインと見分け方:傷口の全域が途切れなく新しい表皮で覆われ、浸出液の流出が完全にストップした状態。触れても出血せず、創面を覆うガーゼや保護材に体液がつかなくなります。表面はツルツルとした光沢を帯びた薄ピンク色や白色を呈し、指で軽く触れるとわずかに引きつれ感や硬さを伴う皮膚が確認できます。
浸出液がまだ染み出している段階は、どんなに薄皮に見えても細胞の橋渡しが完了していません。この時期に保護をやめてしまうと、摩擦で簡単に表皮が剥離して元の深い傷に逆戻りしてしまいます。