中島みゆき『真夜中の動物園』に秘めた叫びと名盤たる真価
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全12曲で構成される本作は、激しいロックチューンから哀愁漂うバラード、さらには原田真二の異色カバー「タイム・トラベル」まで、極めて振れ幅の広いトラックメイクが特徴です。歴代のアルバム群と比較しても、プロデューサー・瀬尾一三によるオーケストレーションと骨太なアメリカン・ロックの融合が最も円熟味を帯びた作品群といえます。
楽曲名サウンド傾向・音楽的特徴歌詞の主眼・心理的アプローチ編集部の見解・重要度鷹の歌ストリングスと重厚なドラムが織りなす荘厳なシンフォニック・ロック奪われた自由と誇り、孤高の魂が放つ静かな反逆のエネルギー後期中島みゆきを象徴する最高峰の叙事詩。必聴トラック。雪あかりの店アコースティックギターを基調とした温かく素朴なフォークバラード厳しい風雪に耐える市井の人々への労りと、消えない心の灯火初期の叙情性と後期の包容力が奇跡的に融合した隠れた名曲。ハリネズミだって恋をする軽快なシャッフルビートを取り入れたポップ・アレンジヤマアラシのジレンマを題材にした、不器用な他者理解の葛藤ユーモラスな語り口の奥に人間関係の本質を突く批評性がある。小さき負傷者たちの同行中島節が炸裂する力強いミディアム・スローナンバー敗者や挫折者を置き去りにする効率至上主義への異議申し立て「倶に」へと続く連帯の思想が萌芽した極めて重要な布石。
また、本作9曲目に収録された「雪あかりの店」は、北国の寒風吹きすさぶ夜に小さな灯りをともす一杯飲み屋の情景を描いた佳作です。効率化とデジタル化の波に呑まれ、温かな対面コミュニケーションが失われつつある現代において、この曲が提示する「いつでも帰ってこられる居場所」というモチーフは、時を経るごとに切実さを増しています。