時計の合わせ方完全ガイド|故障を防ぐ手順と狂う原因を徹底解説
時計の合わせ方完全ガイド|故障を防ぐ手順と狂う原因を徹底解説の基本情報から最新動向までを一挙に解説しました。
アナログ時計のトラブルで最も多いのが、アナログ時計のリューズ操作に伴うカレンダー機構の破損です。多くのユーザーが「針を合わせるだけならいつ操作しても平気だろう」と油断していますが、文字盤の裏側では深夜に向けて極めて繊細な物理連動が行われています。
文字盤に日付(デイト表示)を備えた時計には、内部に「日送り車」と呼ばれる小さなツメ付きの歯車が存在します。このツメが24時間に1度、カレンダーディスクの歯にゆっくりと噛み合って日付板を次の日へと押し出します。この噛み合いが始まるのが午後8時頃から翌朝4時頃(機種によっては午後9時〜午前3時)であり、時計業界ではこの魔の時間帯を日付変更禁止時間帯と呼びます。
歯車同士ががっちりと噛み合っている最中に、リューズの1段引き操作でカレンダーを強制的に早送りすると、噛み合っている細いツメに無理なトルクが加わり、ポキリとへし折れてしまいます。ツメが破損すると「日付が途中で引っかかって動かない」「夜中の12時を過ぎても日付が変わらない」といった重篤な故障へ直結し、分解清掃(オーバーホール)を伴う高額修理を余儀なくされます。
ここで多くの人が直面するのが、止まっている時計の表示が「昼の10時」なのか「夜の10時」なのか判別できないという問題です。この午前午後の見分け方には、修理技師が必ず実践する鉄則の回避ルートがあります。
まずリューズを時刻合わせの位置(通常は2段引き)まで引き出し、時計の針を安全地帯である「5時〜7時付近(一般的には6時位置)」まで進めます。この位置にあれば、午前であれ午後であれ日送り車のツメはカレンダーディスクから完全に離脱しているため、歯車を傷める心配がありません。針を6時位置へ逃がした状態で初めてリューズをカレンダー調整位置(1段引き)に戻し、合わせたい日付の「前日」に設定します。その後、再びリューズを2段引きにして針を進め、12時を通過した際に日付が「今日」に切り替わればそこが午前0時です。そのまま目的の時刻まで針を進めれば、午前と午後を取り違えることなく、歯車を一切痛めずに設定が完了します。