要介護5の給付金はいくら?もらえるお金と申請で激減する負担の全貌

要介護5の給付金はいくら?もらえるお金と申請で激減する負担の全貌について専門的な視点から解説いたします。最新の情報をご覧ください。

要介護5の在宅生活において、直接現金を受け取れる代表的な公的支援が「特別障害者手当」と「家族介護慰労金」です。この2つは支給額も目的も大きく異なりますが、受給条件のハードルを巡って現場で最も誤解が生じやすい制度でもあります。

まず、厚生労働省が所管する特別障害者手当は、精神または身体に著しく重度の障害があり、日常生活において常時特別の介護を要する在宅の20歳以上の者に対して支給されます。2026年時点での支給月額は約2万9,000円(年額約35万円)に達し、介護者にとって極めて心強い財源となります。身体障害者手帳の有無は問われず、寝たきりで全面的な介助を要する要介護5の高齢者であれば、医師の専用診断書によって受給認定が下りるケースが多々あります。ただし、「施設に入所していないこと」「病院に3カ月以上継続入院していないこと」「本人および扶養義務者の所得制限を下回っていること」が厳格な受給条件となります。

一方、メディアやSNSで「申請しないと損する」と頻繁に取り上げられるのが要介護5の家族介護慰労金です。これは市町村が独自または地域支援事業として実施しているもので、支給額は自治体により異なりますが年間10万〜12万円程度が一括支給されるのが一般的です。しかし、ここには専門職の間で「見せかけの救済」と警戒される決定的な落とし穴が潜んでいます。多くの自治体が設けている支給要件は以下の通り極めて過酷です。

【家族介護慰労金の主な支給条件】
  • 要介護4または要介護5の高齢者を在宅で介護していること
  • 介護者・要介護者ともに住民税非課税世帯であること
  • 過去1年間、ショートステイの短期間利用(年間7日〜14日以内など自治体規定による)を除き、介護保険サービスを一切利用していないこと

取材したケアマネジャーは次のように証言します。「『10万円の慰労金がもらえるから』と、デイサービスもヘルパーも頼まずに家族だけで要介護5の寝たきり高齢者を抱え込み、心身ともに限界を迎えて共倒れになる家庭が後を絶ちません。1年間に受け取れる10万円と、月々数十万円分の介護サービスを使って家族が睡眠と健康を維持することのどちらが大切か、冷静に比較してほしいのです」。目先の現金欲しさにサービスを断つことは、介護破綻への直行便になりかねません。

高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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