冷めても極上モチモチ!名物・鬼まんじゅうの黄金比とプロの蒸し技
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愛知県を中心とする東海地方で長年親しまれてきた名古屋名物鬼まんじゅう発祥と歴史を遡ると、そのルーツは江戸時代後期の天保の大飢饉、あるいは戦中・戦後の深刻な食糧難の時代にまで行き着きます。米や砂糖が極めて貴重だった当時、やせた土地でも力強く育つさつまいもは、人々の命をつなぐ貴重な主食でした。わずかに手に入る小麦粉で芋の角切りを固め、腹持ちを良くするために蒸し上げたのが、この菓子の原型とされています。
特徴的な「鬼まんじゅう」という呼称の由来には、主に二つの説が語り継がれています。一つは、生地の表面から角ばったさつまいもが不規則に突き出ている武骨な姿が、民話に登場する「鬼のツノ」や「鬼の金棒」を想起させるという形状由来の説。もう一つは、厄災や飢えの象徴である「鬼」を蒸し上げて平らげることで、無病息災や魔除けを祈願したという民俗学的な意味合いを持つ説です。
名古屋市内の老舗和菓子店が「鬼まんじゅうは庶民の生きる知恵そのもの。飾らない素材だからこそ、芋の質と粉の練り具合に一切の嘘がつけない」と証言するように、この菓子は単なる甘味を超え、東海の風土に根ざした食文化の象徴として世代を超えて愛され続けています。