マリーナベイサンズ傾き26度の真相|倒壊危険の噂と建設秘話を解明

マリーナベイサンズ傾き26度の真相|倒壊危険の噂と建設秘話を解明を徹底追究! 知っておきたい 重要ポイントを分かりやすく展開します。

マリーナベイサンズの建設工事は、世界の建築史に残るほどの超高難度プロジェクトでした。発注元である米ラスベガス・サンズ社が提示した条件は、「26度傾斜した異形タワー3棟を、わずか27ヶ月という異例の短工期で完成させる」という極めて過酷な内容でした。

当初、国際入札には確かな技術力を持つ日本の大手ゼネコン各社も参加を検討しました。しかし、日本のゼネコンはリスク管理を徹底するあまり、「工期が短すぎる」「傾斜角度が急で建設中の自立が極めて困難」「万一の狂いがあれば23階での接合が不可能になる」と判断し、最終的に応札を見送る、あるいは辞退する形となりました。

その中で単独受注を決断したのが、韓国の双竜建設(SsangYong Engineering & Construction)でした。双竜建設は海外の超高層ホテル建設で豊富な実績を持っており、社運を賭けてこの難工事に挑みました。

建設にあたって最大の課題となったのは、「工事の途中で傾いたビルが自重で倒壊しないようにどう支えるか」でした。23階で合流するまでは、東側のタワーは空中に大きくせり出した不安定な状態で上に伸ばしていかなければなりません。そこで双竜建設が導入したのが、橋梁建設で使われる「ポストテンション(Post-tensioning)工法」です。

壁や床のコンクリート内部に高強度のPC鋼線を張り巡らせ、油圧ジャッキで鋼線に強い緊張力を与えて内側に引っ張り戻すことで、傾斜による強大な重力モーメントを相殺しました。さらに、日々の気温変化によるコンクリートの伸縮や風圧によるミリ単位のズレを補正するため、最新のGPS衛星測位システムとレーザーセンサーを駆使したリアルタイム計測を実施。その結果、東側の傾斜棟と西側の垂直棟は、地上70メートルの合流地点で誤差わずか数ミリ以内という驚異的な精度で寸分違わずドッキングに成功しました。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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