炎上する空母飛龍と山口多聞の決断!深海5千メートルが語る真実
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「責任はすべて自分にある。艦と運命を共にする」。傾斜を増し、誘爆の危険が迫る甲板で、山口多聞少将と加来止男艦長は退艦を拒否した。生存者たちの回想によると、二人は押し寄せる将兵に対し、速やかな退艦と生き抜くことを厳命したという。乾パンと水で最後の別離の杯を交わした際、山口は着用していた戦闘帽を加来に渡し、加来は自らの私物を部下に託した。
沈みゆく巨艦の艦橋近くで、二人は昇りゆく月を静かに眺めていたと伝えられる。大日本帝国海軍において、将官が艦と運命を共にする慣習は美談として語られがちだが、当時すでにその指揮能力を惜しむ声は連合艦隊内部でも強かった。冷静沈着な戦術眼と猛烈な闘志を併せ持った山口の死は、その後の太平洋戦線における海軍航空隊の運用に埋めようのない空白を残すこととなった。