天動説と地動説の違いとは?なぜ人類は地球中心を信じ続けたのか

天動説と地動説の違いとは?なぜ人類は地球中心を信じ続けたのかについて押さえておきたい 理由を分かりやすく解説いたします。

天動説が約1400年もの間、絶対的な真理として君臨したのは、決して人々が愚かだったからではありません。最大の理由は、天動説が日常の実感に完璧に合致し、かつ極めて精緻な数学的理論に裏打ちされていた点にあります。

2世紀のアレクサンドリアで活躍した天文学者クラウディオス・プトレマイオスは、著書『アルマゲスト』において、天動説の数学的体系を完成させました。惑星が時折逆方向に動いて見える「逆行」という難問に対し、プトレマイオスは惑星が小さな円(周転円)を描きながら、地球を囲む大きな円(導円)の上を回っていると説明しました。さらに中心点を微妙にずらす「離心円」や「エカント」という計算概念を導入し、肉眼で見える惑星の複雑な運行を驚くほどの精度で予測してみせたのです。

「地球が猛スピードで回転し、宇宙を飛んでいるなら、なぜ猛烈な突風で人間が吹き飛ばされないのか」「真上に投げた石がなぜ同じ場所へ落ちてくるのか」。アリストテレス物理学とプトレマイオスの天文学は、当時の人々が抱く素朴な疑問に対して完璧な答えを用意していました。当時の学者たちにとって、天動説を採用することは無知ゆえの盲従ではなく、知性に基づいた論理的な選択だったのです。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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