東電Ol殺人事件の真相と未解決の闇|冤罪と真犯人の影を追う

東電Ol殺人事件の真相と未解決の闇|冤罪と真犯人の影を追うにまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

事件が日本中に凄まじい衝撃を与えた最大の要因は、被害女性(当時39歳)の特異な経歴にあった。彼女は名門・慶應義塾女子高校から慶應義塾大学経済学部を卒業後、1980年に東京電力へ初の女性総合職(幹部候補)として入社。経済調査研究所の副長として、エネルギー問題に関する精緻な論文やリポートを執筆するエリート社員だった。

年収は1,000万円を超え、金銭的な困窮とは無縁のはずだった彼女が、なぜ夜の街に立ち続けたのか。ノンフィクション作家の佐野眞一氏が著書『東電OL殺人事件』で丹念に追跡した取材記録や当時の関係者証言によると、その背景には家庭環境と精神の過度な負荷が存在していた。

東京電力の幹部社員であった実父の急死、母親からの過剰な期待とプレッシャー、さらには男性優位の巨大組織で「女性幹部の先駆者」として背負わされた重圧。彼女は極度の摂食障害(拒食症・過食嘔吐)を患い、体重は30キロ台前半まで激減していた。昼間は超エリートとして完璧に振る舞いながら、夜は自己を投げ打つように円山町の暗がりへ消えていく――。自傷行為にも似た夜の徘徊は、彼女にとって崩壊寸前の自我を辛うじて繋ぎ止めるための、あまりに歪んだ防衛機制だったと推測されている。

山田 真由

山田 真由

自動車・モビリティライター

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