ホルマリンとは?ホルムアルデヒドとの違いや危険性・毒性を徹底解説
ホルマリンとは?ホルムアルデヒドとの違いや危険性・毒性を徹底解説の疑問点について、最新情報を基に徹底解説します。
これほど危険な毒性を持ちながら、なぜ医療機関や大学の研究室では今もホルマリンが重宝されているのでしょうか。その理由は、生体組織を「生きていた時の状態のまま保存する」という目的において、他のいかなる化学物質もホルマリンの性能を超えられないからです。
タンパク質を架橋する卓越した固定力
生物が死ぬと、自己融解酵素の働きによって細胞は瞬時に崩壊を始め、細菌による腐敗が進行します。ホルマリンに含まれるホルムアルデヒド分子は非常に小さく、組織の深部まで素早く浸透します。そして、タンパク質のアミノ基同士の間に「メチレン架橋(-CH2-)」を形成し、強固な立体網目構造を作り上げます。
これにより、酵素の働きを完全に止め、細菌の繁殖を断ち切り、細胞膜や細胞小器官の微細な形態を寸分違わず固め直す(固定する)ことが可能になります。
医療・病理診断における絶対的な価値
がんの手術で切除された患部組織は、すぐに10%中性緩衝ホルマリンに浸されます。病理医が顕微鏡で「がんの浸潤度」や「断端の陰性・陽性」をミリ単位・マイクロメートル単位で正確に診断できるのは、ホルマリンが組織の収縮や膨張を最小限に抑え、染色性を損なわずに保持してくれるからです。アルコール等で代用すると組織が過度に脱水・収縮して変形し、正確な組織診断が不可能になってしまいます。