ディプティックの傑作フルールドゥポーの真相|男ウケとおじさん臭の境界線
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ディプティックの調香師オリヴィエ・ペシューが手掛けたフルール ドゥ ポーは、香水界のアカデミー賞と称される「FIFI賞(The Fragrance Foundation Awards)」で2冠を達成した芸術的な構成を誇ります。その最大の特徴は、一般的なトップ・ミドル・ラストの直線的な変化ではなく、肌の皮脂や水分量と共鳴しながら多面的に広がるノート設計にあります。
【香りの構成プロファイル】
- トップノート:ピンクペッパー、マンダリンオレンジ、ベルガモット、アルデヒド
- ミドルノート:アイリス、ターキッシュローズ
- ラストノート:ムスク、アンブレット(植物性ムスク)、キャロットシード、サンダルウッド、アンバーウッド、レザー
スプレーした瞬間は、弾けるようなピンクペッパーの刺激と冷涼感のあるアルデヒドが鼻腔を抜けます。この段階ではクラシカルでドライな印象を受けますが、数分が経過すると、高貴なフィレンツェ産アイリスのしっとりとしたパウダリー感が顔を覗かせます。アイリスは花そのものではなく根茎(オリスルート)から抽出されるため、華やかさの中にもどこか素朴で知的な深みをもたらします。
そして時間の経過とともに主役となるのが、ハイビスカスの一種であるアンブレットの種子から採れる植物性ムスクです。動物性ムスクに比べて軽やかでありながら、人間の肌のぬくもりを忠実に再現する温かみを持っています。ムスク香水のおすすめとして美容のプロが本作を挙げるのは、合成香料のムスク単体では出せない、この有機的で生々しい肌の質感を表現し切っているからに他なりません。