日本の貴族の現在とは?旧華族末裔の真実と知られざる特権の行方
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旧華族のコミュニティを語る上で、一般にほとんど知られていない象徴的な組織が「一般社団法人 霞会館(かすみかいかん)」です。東京・霞が関の「霞が関ビルディング」34階に本拠を置くこの団体は、明治時代の華族親睦機関「華族会館」を前身とし、1947年の華族制度廃止に伴って社団法人として再編されました。
霞会館の会員資格は極めて厳格です。原則として旧華族の当主およびその嫡男(男系男子)に限定されており、一般の富裕層や著名人がどれほど財力を誇っても入会することはできません。会員数は約700〜800家族程度とされ、内部では伝統的な宮中儀礼の研究会、皇室行事の奉賛、会員相互の慶弔や親睦活動が行われています。同ビルの敷地はもともと旧華族会館の所有地であったため、ビル賃貸事業から得られる収益を元手に、社会福祉事業や伝統芸能・歴史研究への助成を精力的に行っています。
一方、かつて彼らが暮らしていた豪壮な大邸宅や資産の行方はどうなったのでしょうか。戦後の過酷な税制により、敷地数千坪を誇った旧華族邸宅の多くは国や地方自治体、民間に売却されました。
当時の特番インタビューや自著・手記において、ある旧公爵家の末裔は「敗戦直後、祖父が泣く泣く先祖伝来の掛け軸や茶道具をトラックに積んで売りに出した姿が忘れられない」「冬でも暖房油が買えず、広い洋館の一室に家族全員で身を寄せ合って過ごした」といった過酷な没落の記憶を生々しく告白しています。
現在、これらの豪邸は姿を変えて一般に開放されています。
- 旧前田家本邸(旧前田侯爵家):東京都目黒区の駒場公園内に現存し、国の重要文化財として一般公開。
- 旧細川侯爵邸(旧細川家):東京都文京区の「和敬塾」本館として保存され、歴史的建造物として活用。
- 旧島津家袖ヶ崎邸(旧島津公爵家):東京都品川区の清泉女子大学本館として現在も学び舎として継承。
- 鳩山会館(鳩山家):文京区音羽に位置し、記念館として広く親しまれている。
多くの豪邸は、公的機関や教育機関の手に渡ることで、辛うじて解体を免れ、近代建築遺産として今日に受け継がれているのが実態です。