子門真人『およげ! たいやきくん』印税5万円伝説の真相と現在の姿

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メガヒットの規模が天文学的であったがゆえに、世間の関心を集め続けたのが「歌い手である子門真人さんにどれほどの巨額印税が入ったのか」という点でした。しかし、結論から言えば「歌唱料5万円の買い取り契約」という噂は完全な事実です。

当時の子供番組向けレコード制作において、専属契約を結んでいない歌手への支払いは、売上に応じた歌唱印税方式(歩合制)ではなく、1回のレコーディングにつき数万円の謝礼を支払って権利を譲渡する「買い取り契約(吹き込み料)」が業界の標準的な慣習でした。制作陣もレコード会社も、ここまでの歴史的メガヒットになるとは夢にも思っていなかったのです。

契約項目・主体実際の受取額・契約形態通常の印税契約(仮定)編集部の解説・背景分析歌唱:子門真人約5万円(完全買い取り)約4,500万〜9,000万円
(歌唱印税1〜2%計算)当時の童謡吹き込み標準レート。大ヒット後、レコード会社から記念品(レコードプレイヤーや置物)や数十万円の一時金が贈呈されたに留まる。作詞・作曲者数億円規模の著作権印税売上枚数×定価×所定料率JASRAC経由で正規の著作権印税が分配。高田ひろお氏(作詞)、佐瀬寿一氏(作曲)には莫大な印税が支払われた。発売元(キャニオン)数十億円規模の純利益レコード売上の大半を回収同社の経営基盤を決定づけ、当時の自社ビル建設費を賄ったことから「たいやきビル」と社内外で呼ばれた。

もし仮に、現在のメジャーレーベルにおける標準的なアーティスト歌唱印税(定価の1〜2%程度)が適用されていた場合、定価500円×450万枚の売上(総額約22億5,000万円)から、子門さん個人に4,500万円から9,000万円以上の印税が支払われていた計算になります。

発売元のキャニオン・レコード(現・ポニーキャニオン)は空前の利益を上げ、当時の本社ビルは業界内で「たいやきビル」と揶揄されるほどでした。会社側も子門さんの功績を無視したわけではなく、後日、金一封(数十万円程度)や高級オーディオセット、記念のブロンズ像などが贈られたと伝えられていますが、生み出された巨額の商業的果実との落差はあまりに過酷なものでした。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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