日本で臓器売買は本当にあるのか?摘発事件の真相と法規制の現在
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なぜ、重い刑事罰や国際的非難のリスクを冒してまで違法取引に手を染める者が後を絶たないのか。その根本原因は、日本が抱える圧倒的なドナー不足と絶望的な待機期間にある。
日本臓器移植ネットワークの統計によると、日本国内で腎臓移植を希望して待機登録している患者は約1万4000人以上にのぼる。これに対し、年間に脳死や心停止で提供されるドナー数はわずか100〜200例前後に過ぎない。その結果、腎臓移植の平均待機期間は14〜15年という異例の長さに達している。
日本でドナー提供が広がらない背景には、以下の複合的な要因が存在する。
- 文化的・死生観的要因:遺体を傷つけることに対する心理的抵抗感や、「脳死」を人の死と捉えることへの家族の躊躇。
- 医療現場の負担と体制不足:救急医療の現場でドナー候補者が現れても、専任コーディネーターの不足や院内調整の過重労働がネックとなり、選択肢の提示すら見送られるケースが少なくない。
- 生前意思表示の低迷:マイナンバーカードや運転免許証に臓器提供の意思を表示している国民の割合は依然として少数にとどまる。
透析治療を続けながら10年以上も順番を待ち続ける患者や、余命宣告を受けた患者にとって、待機期間の長さは文字通りの「死の宣告」に近い。この制度の限界と絶望感が、違法ブローカーの甘言にすがりついてしまう心理的土壌を生み出している。