『E. T. 』指を合わせるシーンは本編にない?ポスターと記憶の真相
『E. T. 』指を合わせるシーンは本編にない?ポスターと記憶の真相の重要なポイントについて、専門知識を詳しくお届けします。
事実とは異なる記憶を多くの人が共有してしまう現象は、心理学やネットカルチャーにおいて「マンデラ効果(Mandela Effect)」と呼ばれます。『E.T.』の指合わせシーンは、まさにマンデラ効果の筆頭格として世界的に挙げられる事例です。
認知心理学の観点からこの現象を解剖すると、2つの大きな要因が浮かび上がります。
第1に、「ソースモニタリングエラー(情報源の錯誤)」です。人間は「情報そのもの」を記憶していても、「その情報をどこで得たか(映画本編なのか、宣伝チラシなのか、グッズの絵柄なのか)」という文脈を時間の経過とともに忘却します。ポスターの鮮烈なビジュアルが、映画本編の感動的なクライマックスと脳内で無意識に結合されてしまった結果です。
第2に、「テレビ番組やポップカルチャーによる模倣と再生産」が挙げられます。1980年代から2000年代にかけて、日本のテレビバラエティ番組、お笑い芸人のコント、アニメ、CMなどで「E.T.のパロディ」が無数に作られました。そのほぼすべてで「お互いの指先をくっつけ合う演出」が記号化されて使われたため、本編を観ていない世代や記憶が曖昧な視聴者に対して「E.T.=指を合わせるもの」という固定観念が強固に刷り込まれました。
SNSや知恵袋などのコミュニティを検証すると、「大人になってブルーレイで見返して愕然とした」「友人と一緒に確認して全員で頭を抱えた」「子どもの頃に真似していたのは何だったのか」といった驚愕と戸惑いの声が現在も数多く投稿されています。