扁桃炎の白い膿はなぜできる?臭い玉との違いや受診の目安を徹底解説

扁桃炎の白い膿はなぜできる?臭い玉との違いや受診の目安を徹底解説についての真相をご紹介します。

ネット検索の世界では「扁桃炎の白い膿はうがいだけで自然治癒する」といった根拠の薄い情報が散見されます。確かに軽度のウイルス性であれば、十分な安静と水分補給によって数日から1週間程度で自己免疫力により軽快することもあります。しかし、細菌性感染で白苔が広範囲に及んでいる場合、無治療での自然治癒を期待するのは合併症のリスクを高めるギャンブルに他なりません。

さらに臨床現場で頻繁に患者を混乱させるのが、「処方された抗生物質を飲んでいるのに全く効かない」という事態です。これには明確な医学的理由が存在します。

第一の理由は、原因微生物がウイルスであるケースです。風邪全体の約80〜90%はウイルス性ですが、アデノウイルスや単純ヘルペスウイルス、さらには若年層に多いEB(エプスタイン・バー)ウイルスによる「伝染性単核球症」でも扁桃にべったりとした分厚い白苔が形成されます。抗生物質は細菌の細胞壁やタンパク質合成を阻害する薬剤であり、ウイルスには一切の効果を持ちません。それどころか、伝染性単核球症の患者にペニシリン系抗生物質(アモキシシリンなど)を誤って投与すると、全身に鮮紅色の重篤な薬疹(皮疹)を誘発することが医学的に広く知られています。

第二の理由は、耐性菌の存在です。近年、過去の抗生剤乱用によってペニシリンやマクロライド系抗菌薬が効きにくい耐性菌(ペニシリン耐性肺炎球菌など)が増加傾向にあります。耳鼻咽喉科で適切な培養検査や迅速抗原検査を受けず、自宅に残っていた過去の抗生剤を自己判断で服用することは、治癒を遅らせるだけでなく耐性菌を育てる温床となります。

なお、「扁桃炎の白い膿は周囲の人にうつるのか」という疑問に対しては、白い膿そのものが飛沫となって飛ぶわけではないものの、原因となっている病原体は飛沫感染および接触感染するというのが科学的な事実です。特に溶連菌感染症やアデノウイルスは感染力が非常に強いため、白苔が出ている時期はマスクの着用、タオルの共有禁止、徹底した手洗いが必須となります。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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