ブレーキパッド残量は何ミリで危険?放置が招く重大事故と最新交換費用
ブレーキパッド残量は何ミリで危険?放置が招く重大事故と最新交換費用についての最新情報をご紹介します。
自動車検査証の更新、いわゆる「車検」をクリアしたばかりだから向こう2年間はメンテナンスフリーである――。この思い込みこそが、年間数多くのブレーキトラブルを現場で生み出している元凶です。
現行の道路運送車両法における保安基準では、ブレーキテスターによる制動力の測定(規定の制動力が基準値以上出ているか)が合否判定の主軸となっており、実はブレーキパッド残量の厚さ規定(数値下限)は法律上に明記されていません。つまり、極端に言えば残量がわずか1.5mmしか残っていなくても、検査ライン上で所定の制動力さえ発揮できれば、法的には「合格」の印が押されてしまう制度設計になっています。
認証整備工場で取材に応じた現役整備士は、次のように現場の実態を打ち明けています。
「ユーザー車検代行や格安車検では、法定点検費用を削るためにタイヤすら外さず目視だけで済ませるケースが散見されます。パッドが2mm程度残っていれば『とりあえず車検は通ります』と通してしまい、その半年後、走行距離が1万キロ延びた頃には残量がゼロになってローターを削り倒した状態でレッカー搬送されてくる車が後を絶ちません」
さらに見過ごせないのが「偏摩耗(片減り)」です。ブレーキキャリパーのスライドピンの固着やピストンの作動不良が起きると、ホイールの外側から見えるパッド(アウター側)は4mm残っているのに、死角になっている車体内側(インナー側)のパッドが限界値の0mmまで削れきっている事態が頻発します。外見からの簡易的な目視点検だけで「まだ半分ある」と過信するのは極めて危険な行為です。