嘱託医とは?産業医との違いや業務内容・報酬相場を現場目線で徹底解説
嘱託医とは?産業医との違いや業務内容・報酬相場を現場目線で徹底解説とは一体何なのか? 専門的な分析を整理してお届けします。
ネット上のQ&Aサイトなどでは「嘱託医は非常勤なのだから、法的な責任はすべて施設側が負う」という言説が散見されますが、これは明白な誤りです。
医療事故発生時の責任の所在
特養や介護施設で投薬ミスや急変の見落としによる嘱託医の責任・医療事故が発生した場合、法的責任は二層構造で問われます。
第一に、施設(社会福祉法人等)は民法第715条の使用者責任、または債務不履行責任(安全配慮義務違反)を問われます。しかし、医療行為自体の過失に関しては、医師個人も民法第709条に基づく不法行為責任(医療過誤責任)から免れることはできません。非常勤であることや報酬額の多寡は、医師としての「善管注意義務」を免責する理由には一切ならないのです。
「嘱託医 契約書 ひな形」を鵜呑みにする危険性
インターネット上で無償配布されている一般的な契約書のひな形をそのまま流用することは、極めてリスクが高い行為です。後日の紛争を防ぐため、以下の項目が明文化されているかを必ず検証する必要があります。
- 拘束時間と訪問頻度の規定:定期訪問の曜日・時間帯、1回あたりの滞在時間を明記する。
- 夜間・休日の緊急連絡(オンコール)の扱い:電話対応の義務の有無、時間外手当の支給基準、往診要請に応じられない正当な理由の免責条項。
- 救急搬送の判断基準:急変時に医師の指示を待たずに救急搬送を行ってよい具体的基準をあらかじめ合意する。
- 医師賠償責任保険の適用:施設の保険でカバーされる範囲と、医師個人の医師賠償責任保険(日本医師会医師賠償責任保険等)の加入義務を明記する。