鉄フライパンの洗い方で洗剤Ngは嘘?焦げやサビを甦らせる手入れ術
鉄フライパンの洗い方で洗剤Ngは嘘?焦げやサビを甦らせる手入れ術について重要なポイントを解説いたします。専門家の見解をご覧ください。
どれほど慎重に扱っていても、タレ漬けの肉を焼いた際の炭化汚れや、湿気の多い梅雨時期の保管ミスによって、焦げ付きや赤サビに見舞われる局面は訪れます。ここで多くの人が犯す過ちが、「重曹」と「クエン酸」の混同です。
焦げ落としには「弱アルカリ性の重曹」一択
焦げの主成分は、食材に含まれるタンパク質、糖分、脂質が高熱で炭化した酸性の物質です。これを中和して柔らかく分解するには、アルカリ性を示す重曹(炭酸水素ナトリウム)が絶大な威力を発揮します。
フライパンに焦げが浸る程度の水を張り、大さじ2〜3杯の重曹を投入して火にかけます。沸騰すると細かな炭酸ガスの泡が発生し、焦げの隙間に入り込んで炭化層を浮かせます。沸騰後10分ほど弱火で煮立て、火を止めて冷めるまで放置すると、硬化した焦げがペースト状に軟化します。その後、木べらや金属たわしで軽く擦るだけで、地金を傷めずに剥がれ落ちます。
赤サビの除去には「酸性のクエン酸」または物理研磨
一方で、赤サビ(酸化第二鉄)は金属酸化物であるため、アルカリ性である重曹ではビクともしません。赤サビには酸性物質であるクエン酸が作用し、鉄イオンと結合してサビを溶解させます。ただし、鉄製品にクエン酸水溶液を長時間放置すると、健全な地金まで腐食して脆くなる「酸侵食」を引き起こすため注意が必要です。
軽度の赤サビであれば、クエン酸水を吹きかけて数分置き、ナイロンたわしで擦り落とすのが安全です。深部に達した赤サビの場合は、市販の耐水ペーパー(サンドペーパー #320〜#600)に水をつけながら、サビが消えて銀色の鉄の素地が見えるまで物理的に削り落とすのが最も確実な再生手順となります。地金を露出させた後は、水分を拭き取り即座に強火で加熱して青黒い酸化被膜を再形成し、たっぷりの油で油ならしを行えば、フライパンは見事に息を吹き返します。