重ね合わせの理完全攻略|複雑回路の解き方と電力計算の落とし穴

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重ね合わせの理を学ぶ上で、もっとも危険で致命的な誤解が「重ね合わせの理による電力の計算」です。試験で不合格になる受験生の少なからずが、この罠に足元をすくわれています。

結論を明言します。電力に対して重ね合わせの理を適用することは絶対にできません。各電源単独時の電力を個別に計算して、それを単純に足し合わせても、正しい総電力には決してなりません。

数式でその理由を明確に検証してみましょう。抵抗 $R$ に流れる電流が、電源Aによって生じる電流 $I_1$ と、電源Bによって生じる電流 $I_2$ の合成であるとします。このとき、回路の正しい瞬時電力 $P_{\text{total}}$ は以下の通りです。

$P_{\text{total}} = (I_1 + I_2)^2 R = (I_1^2 + 2I_1 I_2 + I_2^2) R = I_1^2 R + I_2^2 R + \mathbf{2I_1 I_2 R}$

もし、電源Aによる電力 $P_1 = I_1^2 R$ と、電源Bによる電力 $P_2 = I_2^2 R$ を単純に足し算してしまうとどうなるでしょうか。

$P_1 + P_2 = I_1^2 R + I_2^2 R \neq P_{\text{total}}$

両者の間には、決定的な差として「干渉項(交差項) $2I_1 I_2 R$」が抜け落ちてしまいます。物理における電力は電流や電圧の「2乗」に比例する非線形な物理量です。重ね合わせの理は「1次式(線形結合)」に対してのみ成立する法則であるため、2次関数である電力には原理的に適用できないのです。

電力を求めたい場合は、「まず重ね合わせの理を使って合成電流(または合成電圧)を完全に求め切る」、その後に $P = I^2 R$ または $P = \frac{V^2}{R}$ を計算するという2段階の手順を徹底しなければなりません。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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