三角関数の和積公式は丸暗記するな!10秒で作る導出法と符号ミスの真相
三角関数の和積公式は丸暗記するな!10秒で作る導出法と符号ミスの真相にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。
公式の作り方を理解したら、実戦でどう使うかを体感しましょう。和積公式が真価を発揮するのは、主に「方程式の因数分解」と「関数の合成が使えない異角の処理」です。
基本問題:三角方程式の攻略
【問題】 $0 \leqq x < \pi$ のとき、方程式 $\sin 3x + \sin x = 0$ を解け。
【解き方と解説】
通常、角が異なる三角関数の和は、3倍角の公式を使って次数を上げるか、和積公式で「積の形(掛け算)」にして因数分解するかを選択します。ここで和積公式①を適用します。
$\sin 3x + \sin x = 2\sin\left(\frac{3x+x}{2}\right)\cos\left(\frac{3x-x}{2}\right) = 2\sin 2x \cos x$
与式は以下のように書き換わります。
$2\sin 2x \cos x = 0$ すなわち $\sin 2x = 0$ または $\cos x = 0$
$0 \leqq x < \pi$ より、$0 \leqq 2x < 2\pi$ なので、
$\sin 2x = 0 \implies 2x = 0, \pi \implies x = 0, \frac{\pi}{2}$
$\cos x = 0 \implies x = \frac{\pi}{2}$
したがって、求める解は $x = 0, \frac{\pi}{2}$ となります。
わずか2行の変形で因数分解が完了し、解が瞬時に求まりました。もし3倍角の公式を用いて展開していれば、3次方程式の処理に追われ、計算ミスを誘発していたはずです。
共通テスト 三角関数 対策と数学III 積分への応用
2026年現在の新課程共通テストにおいて、数学II・B・Cの三角関数では「公式の暗記量を問う問題」は淘汰され、「グラフの周期性の考察」や「式変形の意図を読み取る力」が重視されています。和積公式は、周期が異なる波の重ね合わせ(物理の「うなり」現象など)を考察する誘導問題で頻出の変形です。
また、理系受験生にとって重要なのが積和公式との違いと、その使い分けです。
「足し算を掛け算にするのが和積(Math IIの方程式・不等式で因数分解=0の形を作る)」
「掛け算を足し算にするのが積和(Math IIIの不定積分で被積分関数を分解する)」
数学III 積分への応用において、例えば $\int \sin 3x \cos 2x \, dx$ を積分する際は、積のままでは積分できないため、積和公式を用いて和の形にバラす必要があります。目的が「因数分解(和 $\to$ 積)」なのか「項ごとの分解(積 $\to$ 和)」なのかを意識するだけで、どちらの公式を使うべきか迷うことは一切なくなります。