大沢逸美が独身を貫く真相|11年介護の壮絶人生と現在に迫る
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大沢逸美の若い頃といえば、1984年の大ヒットドラマ『スクール☆ウォーズ』での山崎加代役や、1985年の『ヤヌスの鏡』での不良少女グループのリーダー・竹中由香役が今も語り草だ。鋭い眼光で不良役を完璧に演じ分ける彼女の圧倒的な画面存在感は、今なお当時の画像や映像アーカイブとともに多くのファンの記憶に刻まれている。しかし、そうした華々しいキャリアの先で待ち受けていたのは、ドラマの台本をはるかに超える現実の過酷さだった。
大沢の母親は、彼女が30代に入った頃から体調を崩し始めた。糖尿病が悪化してインスリン注射が欠かせなくなり、さらに肝硬変を併発。やがて脳血管性の認知症を発症したことで、母娘の関係は一変する。かつて娘の芸能活動を厳格に支えてくれた最愛の母親が、大沢の顔すら認識できなくなり、突発的な徘徊や激しい感情の起伏を見せるようになった。
大沢は外部の介護サービスを頼りつつも、主たる介護者として自宅での在宅介護を約11年間にわたって継続した。ドラマの収録や舞台の稽古が終わると急いで自宅に駆け戻り、汚れたシーツの洗濯や食事の介助、排泄の世話に追われる日々。睡眠時間は削られ、疲労と孤独感が極限に達した時期には、「母に対して激しい怒りを感じてしまい、その直後に耐えがたい罪悪感に押しつぶされる」という激しい感情のループに苦しんだと自著『お母さん、壊れちゃったの?―母と娘の認知症介護11年』で赤裸々に告白している。
2008年に母親が静かに息を引き取った後、大沢はその深い喪失感と向き合いながら、自らの経験を風化させないために「認知症サポーター」や「介護福祉士」に関する学びを深めた。現在では、全国の自治体や福祉団体から招聘される介護をテーマとした講演活動の第一人者として、自らの言葉で全国の家族介護者へ寄り添い続けている。