名優・天知茂の伝説と早逝の真相|明智小五郎から『昭和ブルース』まで
名優・天知茂の伝説と早逝の真相|明智小五郎から『昭和ブルース』までの要点を丁寧に掘り下げてご紹介します。
俳優として円熟期を迎え、映画制作や舞台演出などさらなる創作意欲に燃えていた天知茂に、非情な運命が襲いかかったのは1985年(昭和60年)7月27日のことでした。主演舞台やドラマの過密スケジュールが続くなか、東京都渋谷区の東宝スタジオ近くの喫茶店で関係者と打ち合わせを行っていた最中、突然の激しい頭痛を訴えて倒れました。
直ちに救急搬送され、医師団による懸命な救命処置が行われたものの、意識が戻ることはなく息を引き取りました。死因は「くも膜下出血」、享年54というあまりにも早すぎる旅立ちでした。前日まで普段と変わらず精力的に仕事をこなしていただけに、映画界・テレビ界に走った衝撃は計り知れないものがありました。
告別式には、数多くの名優やスタッフ、そして数千人におよぶファンが参列。『非情のライセンス』や舞台で共演を重ねた仲間たちは、早すぎる盟友の死に涙を流し、「あんなに真面目でストイックに生きた男がなぜ」と早世を惜しみました。病魔を微塵も感じさせず、最後まで表現者としての緊張感を保ち続けた壮絶な生き様でした。